放射能から子どもの未来を守る調布の会(CCPC)

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖大地震により、福島第一原発で未曾有の核災害を起きました。原発の爆発により、広い範囲に放射性物質が飛び散りました。子ども達を放射線被ばくから守りたい。その為に、学び交流していこうという団体です。主に調布に住む保護者がメンバーです。定例会や調布市との懇談の予定や、学集会の企画などをお知らせしていきます。

原発事故子ども被災者支援法基本方針改悪を閣議決定

8月25日、政府は、東京電力福島第一原発事故自主避難者らを援助する「子ども・被災者支援法」の改定基本方針を閣議決定した。福島県浜通り中通り地方の三十三市町村を指定している支援対象地域を当面維持する一方、放射線量が低下しているとして対象地域を将来的に縮小、撤廃することが適当とし、帰還や定住支援に重点を置くとした。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015082502000253.html

原発事故子ども被災者支援法基本方針改定を閣議決定したことを受けて、原発事故被害者の救済を求める全国運動(子ども全国ネットも参加)は緊急記者会見を開き、緊急声明を発表しました。

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 原発事故被害者の救済を求める全国運動緊急声明」

【緊急声明】
被災者切り捨ては、この国の未来の切り捨て。支援法の立法趣旨・基本理念からさらに大きく逸脱した支援法改定基本方針の閣議決定に抗議し、撤回を求めます。
 本日、被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定が閣議決定されたことに対し、私たち原発事故被害者の救済を求める全国運動構成団体は、強く抗議をし、この決定の撤回を求めます。
 そもそも2013年10月策定された基本方針は、支援対象地域の一定の汚染を示す数値を示さないまま福島県外の汚染地域を支援対象地域から外し、新規立法を含む具体的体系的支援施策を行わず、被災当事者の声を反映するための十分な措置をとらない等、多くの問題を含む内容で、支援法の理念から逸脱した形でスタートしました。
今回の改定は、さらにこれらの欠陥が助長・拡大され、被災者に実質的に帰還と被ばく受忍を強い、国の責任で行うべき支援を縮小する改悪です。特に、外部被曝線量が「事故発災時と比べ、大幅に低減」したとして、「避難指示区域以外の地域から新たに避難する状況にはなく、支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当である」と明記していることは、根拠としているデータの欠陥およびそこから導く判断は極めて恣意的なものであり、看過できません。また避難する状況かどうかを国が一方的に判断すること自体が、支援法の基本理念に真っ向から背くもので不適切な文言であり、削除すべきです。
 この改定案はまた、高すぎる基準に基づいた避難区域の解除、「自主」避難者への住宅支援の打ち切りなど、人々の願いに反した帰還政策と一連・一体のものであり、原発事故の矮小化と被ばくの受忍の強要そのものです。
 私たちは、この改定案と一連の帰還政策に反対し、「支援法」の趣旨を踏まえ、新たな改定案の策定、各地での公聴会の実施、支援対象地域を年間1ミリシーベルト以上の地域および福島県全域とすること、福島県外における健診や医療費減免、甲状腺癌以外の癌や癌以外の核種疾患についても広く検査すること、自主避難者も含む、抜本的・継続的な住宅支援制度の確立を求めました。
 しかし、今回閣議決定された改定基本方針には、上記のいずれも反映されておらず、納得のいく根拠も示されていません。
 このような基本方針は、支援法そのものを破壊し、被災者支援を歪め、極小化するもので、本来救済されるべき多くの被災者(将来被災する人々を含む)を切り捨て、未然に防げる被害を防がないということを意味しており、断じて受け入れることはできません。
 私たちは改めて、この改定案と一連の帰還政策に反対し、今回の基本方針改定閣議決定を撤回し、「支援法」の趣旨を踏まえ、基本理念に沿った基本方針と具体的支援策を策定しなおすよう、強く要請します。
 
 また、2013年基本方針策定時と同様、今回の改定も被災当事者の実態を把握しその声を反映する、または双方向の対話の中での問題解決の模索や合意形成といった、民主的プロセスが決定的に欠落しています。
 復興庁はじめ関係機関は、公聴会を開催することもなく、市民からの意見に何ら具体的に誠意をもって応答することなく、7月開催された説明会においても、昨日の本会主催の政府交渉においても、自説の繰り返しに終始し、私たちの要望や質問に正面から応答することがありませんでした。このような姿勢は、支援法第5条第3項に違反しており、直ちに改めることを望みます。
 自作自演の幻想に被災者と国民を巻き込むことは許されません。
 目先の利益で動く集団が徒党を組んで産み出し人々に刷り込んだ原子力安全神話に自らも毒された政府と電力会社が、国民をこのような終わりの見えない原子力緊急事態の中に引きずり込みました。同じ愚を犯しては、この国の真の復興は成し遂げられることはないでしょう。見せかけの復興と思い込みの安全は現実の被ばくの被害から人々の生命と生活を守ることはできません。被災者の切り捨てはこの国の未来の切り捨てであることを肝に銘じ、政府は、被災者と被災地の現実を直視し、対話の中から解決策を見出していく姿勢に転換し、被災者の声を真摯に聴いたうえで、必要な支援施策を国の責任で行うよう強く求めます。

2015年8月25日
原発事故被害者の救済を求める全国運動
(構成団体:会津放射能情報センター、いわきの初期被曝を追及するママの会、大熊町の明日を考える女性の会、放射能から子どもを守ろう関東ネット、原子力資料情報室、原発事故子ども・被災者支援法推進自治議員連盟原発事故子ども・被災者支援法市民会議、原発事故子ども・被災者支援法ネットワーク、原発被災者弁護団、国際環境NGO FoE Japan、子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク、子どもたちを放射能から守るみやぎネットワーク、静岡・子ども被災者支援法を考える会、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、大地を守る会、国際協力NGOセンター(JANIC)、ハイロアクション福島、パルシステム生活協同組合連合会ピースボート、避難・支援ネットかながわ(Hsink)ヒューマンライツ・ナウ、福島原発30キロ圏ひとの会、福島原発事故緊急会議、福島原発震災情報連絡センター、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)、福島老朽原発を考える会)"